<回想録>
2015年7月。念願の小川山でクライミング。
朝早くから都心から車で移動。でもいきなり中央高速の小仏トンネル手前で渋滞。全くもお〜。
そこを越えると、車はあっという間に長野県川上村へ。ここはレタスの名産地。
レタス畑の向こうに、見覚えのある廻り目平(小川山)が視界に入ってきました。
そう言えば2年前に、金峰山登るんで、近くの岩根山荘に泊まってから、翌朝廻り目平のキャンプ場の横を上がって行ったっけ。
ということで、この日は、まずキャンプ場横の道沿いのボルターにウォーミング・アップということでトライ!
その最初のムーブは、右の足元の小ちゃなところに体重かけてから左足に乗り込むのですが、右足に思い切って力入れるのに戸惑う。自分でもビックリ。突然怪我した時の記憶がフラッシュ・バック!そして恐怖感に襲われる。1メートルもない高さなのに。
こんな感情・感覚は今までなかった。自分自身に戸惑う。「らしくないねえ」と友達にも言われる。
どうしたんだろう。ジムで登っている時は、手術した方の脚は、もう全然なんともないのに・・・。結局ボルターは、登れませんでした。
次は左岸スラブへ。スラブは登るの初めて。トップロープでトライ!通常のフェイス登るのとは違い、わずかな出っ張りを探しつつ、何とか真ん中くらいまで登ったけど、その後何をどう処理していいかわからず結局これも最後まで行けず。スメアリングできるようにならないと。
次は、「これ登って!」と"トムと一緒"(5.10a)という課題をマスターのリードでトライ!マスターとは、自分でヌンチャクをハンガーに掛けて、さらにロープもクリッピングしながら登ることなのですが、この日それをすることが出来るとは全く考えていませんでした。まだまだ未熟ものなので。
嬉しい反面ちょっと戸惑う。でも師匠がやってみなさいというのだから、理由があるはず。
カバカバなので、真ん中のテラスまではゆっくりだけど、順調に登る。
問題はそこから先。一旦テラスで休憩しちゃうと、直ぐそこに見えているフットホールドに上手く身体が上げられない。
上がったと思ったら、今度は次のホールドが見えているけど遠い。脚を上げていかないととれないのです。
右往左往しているうちに一回落ちた。それも頭から。最低〜!「※@☆X〜!」と怒られる。自分が悪いから仕方ない。
もう一度トライして、終了点まで行き最後のクリッピング!
やったー!バンザイ!
「周りの景色をしっかり見るんだ!」と師匠。
グレード的には大したことないんだろうけど、私にとっては、生涯忘れることのない瞬間でした。
この後、正しい着地についての指導を受け、それから他のボルターへ移動。それは一回だけ触っておしまい。
結局この日はリードで登った一本だけが唯一の完登でしたが、心理的な収穫は多かったです。
でも「まだまだ経験が足りないので、もっと登らないといけない」というアドバイスも一方でうけました。一人前への道のりは遠い。
その晩は、師匠の持ってきたイタリアのワインを飲みながら、美味しい食事を味わい、帰路につきました。(運転手のお友達は、ワイン飲めなくて申し訳なかったけど)