ということで・・・
★5ピッチ目(5.10/25m/NP&B5):
ルートの核心!
最初のチムニー渡りに手こずる。
それからトラバースして閉じたクラックを上がり、2つ目のカムを外して上がろうとしたら落ちました。せっかく登ったのに!声をあげながら何とかテラスへ!
★6ピッチ目(5.10-/30m/NP&B5):
まずクラック沿いに上がり、それからボルトに沿って右上しようと身体を動かしたらまた落ちた。やれやれ。
地味にじわじわと登るところが多い。多分ザックもプロテクションの回収もなければ、もう少し楽なのかもしれないけれど。
登ると決めたのは自分だから文句は言えません。
焦っても仕方ない。時々セルフを取り、息を整えながら一坪テラスへ!一瞬雨がぱらつきハラハラしたけど、一安心。
時計を見ると13時を回ってました。
空腹を覚え、ここでパンをかじる。
★ルート上部:
アプローチシューズに履き替え、Ⅱ級、Ⅳ級+の岩稜を進む。そしてその先に本ルート経験者から「上部に一手が辛い壁があるから!」と教えてもらった岩が現れた。クライミングシューズに履き替え、ボルダーチックなムーブで上がる。ザックとプロテクションをぶら下げてだと大変。
山頂直下の最終クラック(5.8)も、空身じゃないから手こずる。
渾身の力を振り絞り、登り切る!時刻は15時を回ってました。
ようやく安堵!全ての装備をザックにしまい。持ってきた水を全部飲み干す。
15:35には下山開始し、16時過ぎには富士見平小屋。
のどが渇いたので、その先の水場で冷たくておいしい水を飲む。お水ってこんなにおいしかったっけ?
16:35位には瑞牆小屋の駐車場に帰還。
韮崎駅まで戻り、ホームであずさを待ちながら富士山を眺めていると、つい数時間前に岩と格闘してたのが嘘みたい。本当に登ったのかな?
サミットリッジは、開拓者であるお二人のガイドが4年がかりで完成した素晴らしいルートでした。クラックやフェイスを様々なテクニックを駆使しての登攀。それに見合った能力のあるクライマーなら、もっと楽しめるだろう。
今回登る前に、サミットリッジ登攀経験者が「あれもう一回登りたいんだ!」と話していた気持ちが、今は良くわかります。
総合力がないと登れない。仮に登れても納得できない。
今回のマルチピッチは、今までのどんなクライミングよりも記憶に残り、また学びや気づきのある時間となりました。
クライマーとしてもっと成長したいな。
帰りのあずさで、ビール飲みながら
そんなことを考えながら、暑い首都圏へ戻りました。