山行女 by つるぎ

2012年から始めた登山・クライミング・そしてそれにまつわる旅の記録。日々のつぶやきです。

どこの廊下?(Day 0)

数ヶ月前「黒部峡谷の下ノ廊下って興味ある?」と友達に聞くと、「どこの廊下?」って感じの反応。

「険しいけれど素晴らしい景色を楽しめるよ。あとウェブに写真とかあるよ」と話すと、

「行きたい〜!」と返事。

開通の時期が毎年微妙で、今年もご多分にもれず。ある方から「静かな時にテント泊で行くのが最高!」とアドバイスを受けたし、「下の方は紅葉にはまだ早いし、連休は混むからやめようかな」と思いましたが、天気予報も良さげだし、何度歩いても絶対楽しいと考え、出掛けることに決定。

ということで回顧録スタート!

<回顧録>

朝5時起床。外に出たら雨。午後から回復見込みなので、気にせず7時のスーパーあずさ1号で松本へ。

更に乗り換え、

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初めての駅に到着。そこから一路バスで扇沢へ。

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案の定混んでる。トローリバスで黒部ダムへ。

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車体に何か変なキャラが描いてある。

くろにょん?!

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このエリア、ちょっと先の白馬村に「ヴィクトワール・シュバルブラン村男III世」、立山に「らいじい」、富山には「きときとくん」と、ゆるキャラ多すぎ!

もはや差別化はムリ。

マーケティングの神様コトラー氏なら何て言うかな?

マーケティングはさておき、少し歩いて展望台に向かうと、黒部ダムが放水中!

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やはりスケールが違う。大迫力。

お腹がすいたので、「そばめし」をランチに頬張りながら、「ハサイダー」という黒部ダムに通じるトンネルの破砕帯の湧水をつかったサイダーを飲んでみました。

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それからダムの通路に降りていくと、更に水しぶきが激しい。

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翌日歩く方向には、遠くに小さく橋が見えました。

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その先の様子はガスっていて見えません。

この日の宿のロッジくろよんは、15時にならないと開かないので、ゆっくり写真とったりして向かいました。

それでも14時前に着いちゃいました。

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雨はちっともやまず、むしろ激しくなってきたので、仕方なく玄関でビール飲みながら時間をつぶし、その日はその後もだらだら飲んで、18時には夕飯食べて、20時前には布団へ。

 阿曽原温泉のウエブサイトの情報によれば、下ノ廊下に、雪渓のとんでもない難所がある。 「どうなることやら」と思いつつ眠りにつきました。

(つづく)

5.10d再び

黒部峡谷から戻って来たら、平日はまた激務。

必死に仕事しておもむろに時計見たら23:45!

おかしいなあ。

怒涛の3日間縦走は、流石に身体にこたえる。

2日レストして、ジムへ。

新しい壁がまた出来てる。オススメの課題にトライするも、スタートすら出来ず。ガックリ。

それでも、40手以上ある長ものや、肩の痛みがあった時はトライしなかった課題も登りつつあるんだけどな。

ボルダーの翌日は、仕事の後リードの講習。

久々に5.10dを触る。

講習だからボルダー壁で体の使い方の練習してからだったけど、登れそうで登れない。

2回トライして、あと一手で敗退。

すごく難しい訳ではないけど何かが足りない。

しばらくご無沙汰している湯河原のシャクシャイン(5.10d)も終わってない。

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山ばっかり歩いているとクライミングの練習が疎かになるし、クライミングばっかりしてると歩けなくなる。

この前も「足ばっかり鍛えてどうするんだ。クライミングやれ」って言われたしなあ。

私の登りたい場所は「総合力」が問われる。どちらがダメでも行けない。悩ましい。

諦めずに続ける以外に、道はなし。

水平歩道を北へ (Day 3)

最終日は、4時起床。身支度して4:25出発。

辺りはまだ暗い。人影はなく、チリンチリンと熊鈴の音だけが響く登山道。 

6:25頃折尾谷の滝まで来ました。

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ここで滝を眺めながら朝ごはん。贅沢だなあ。

それから写真中央の大きな岩の下まで行ってみました。

15分くらい休憩して、再出発!

トンネルを抜け、

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日本最大級の壁である奥鐘山西壁を眺めながら断崖絶壁の道を進み、7:30頃大太鼓附近通過。

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衝撃的な岩壁!ずっと見てみたかったけど、そのスケールに驚嘆。こんな岩を見たのはヨセミテ以来。これを開拓し登った人は凄まじい。真のクライマーしか行けない、人を選ぶ岩場。

そんな事を考えながら、ホウ雪崩の場所へ向かう。

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遠目に見るだけでも、恐ろしい〜。

志合谷のトンネルの手前に、

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こんな標識がありました。

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中に入ると岩に含まれる石英が、キラキラ光っている。天空の城ラピュタの飛行石を思い出しちゃいました。

何だかんだで歩き続け、9:35欅平到着。

所要時間休憩込みで、5時間10分。

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地図の標準タイムが5:15だから、まあそこそこ良いペースで歩けたかな。

先人の黒部開拓の歴史に関する展示を見ながらトロッコ列車を待つ。

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本を読むだけでなく、実際に歩くと感慨深い黒部渓谷。

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執念の難工事完成以外に言葉が見つからない。時代背景もあったんだろうな。今なら出来ないかも。

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10:01のトロッコに乗り、

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険しい岩山、

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ダム、

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中世のお城を思わせる発電所

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最後に宇奈月湖を眺め、

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11時過ぎに宇奈月温泉着。

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ビールで喉を潤し、

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ラーメンでお腹を満たし、

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日帰り温泉「湯めどころ宇奈月」の湯に浸かり

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黒部宇奈月温泉駅から、帰路に着きました。

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やっぱり良いところですね富山。また来ます!

 

秘湯 阿曽原温泉へ(Day 2)

清々しい朝を迎えるはずが・・・

4時頃、ビニール袋のガサガサ攻撃、その後「はよ起き〜や。寝てるのあんただけや。布団はがすで〜」という声。何と吉本新喜劇開演。「何でやねん」とつぶやきたくなる。

5:30頃気を取り直し、裏剱眺めに仙人池へ。

でも、ここも人だらけ。

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雲のせいで、朝焼けは期待出来そうもないので、小屋に戻って朝ごはん。

他のパーティがいなくなるのを待ちながら、写真を撮って時間潰す。

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紅葉がキレイ。 

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静かになると落ち着く。

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7時に小屋を出発!

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仙人温泉までの下りは、雪渓が核心。2度あったけど、両方共ロープで確保してもらいながらおりました。

8:20頃仙人温泉小屋付近に到着。

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仙人池ヒュッテを遅く出発したのに、結局ここまでの間に、全パーティ追い越してしまった。

この先は人の気配がないので、ガイドさんは熊鈴装着。人よりも熊の方が多いとのこと。下界とは違う原理原則で物事が進む世界。なんだかナウシカ腐海みたい。

8:53仙人温泉小屋をのぞむ地点へ到着。

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ここから谷を振り返ると、雪渓が。

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少し歩くと本日の最高地点。

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この先は雲切新道の急な下り。 

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不帰ノ険、白馬鑓ガ岳、

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五竜岳鹿島槍など後立山連峰の山が見えてきました。やはり近い。 

濡れてる岩や木の根と格闘しながら、急な下りを何とか進んで行くと、

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雲切谷の滝。

もう少し行くと黒部川、そしてハシゴを下りきると仙人谷ダムが。わかっていても人工物がそこに佇んでいるのが不思議な感じ。

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ダムの水の美しさに息を飲む。と同時にこのダムを作った人達の苦労を思い出す。

ハシゴを下って、

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標識を見ながら歩き、

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建物の中へ。

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隧道を通る。

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歩くと微かに硫黄のにおいが。

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高熱隧道に続く道を横切ると、そこだけ暑い。小説で読んだのことを思い出す。166度の岩盤を掘り進む難工事。ようやく隧道の外に出るとセミが鳴いていました。

また夏に逆戻り。

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そして関西電力人見平寮の横を通る。冬もここで従業員の方々は過ごすそうです。大変だな。

12:10に阿曽原温泉到着。

他の登山者はまだ来ない。

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テント場の横を下り、

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露天風呂へ!

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こんな景色を眺めながら、

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ビール片手に、貸し切り状態。

今まで行ったどこの温泉よりも最高!

頑張って歩いてよかった〜。  

(つづく)

目まぐるしい⁈ 裏剱へ(Day 1 後編)

剱御前から剱沢小屋までの凍った登山道にビビった後は、剱沢雪渓へ。

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クロユリの滝の横を過ぎ、久しぶりに6本爪アイゼンを装着。

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雪渓を下る。

6月に見た平蔵谷出合の大岩は、その全貌をあらわしていました。

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改めてこのエリアの降雪量に衝撃を受ける。

進むうちに雨はやみ、雲間に青空が。

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13時に真砂沢ロッジに着いた頃には、青空。

そして暑い〜。夏が戻ってきました。 

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「紅葉ってなんのこと?」と思うくらいまだ周りの木々は緑色。

三ノ沢付近を歩いていると、雪渓が崩れているのが目に入る。これを見ると、足下の状態が見えない雪渓は、やはりこわいとつくづく思う。

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13:50二股吊橋到着。

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(写真は仙人新道側から真砂沢方面を見たもの)

この先は仙人新道の急登なので、しばし休憩。

自然に癒される。聞こえるのは、沢の音だけ。

現代社会のテクノストレスとは無縁の地。

もちろん電波は届かない。

北西には三ノ窓雪渓。いつか三ノ窓も行きたい。

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北東には南仙人山。

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10分もいたでしょうか?

この日最後の登りである仙人新道へ向け出発。

登っていくと、

三ノ窓雪渓はより近く、

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さらに小窓雪渓?憧れの北方稜線行くと、ここ横切るんだよね。

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 尾根を登って行くと、東側には後立山連峰

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来年は、機会があったら縦走してみたいな。

15:30思ったよりも早く仙人池ヒュッテ到着。

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池に映る山々が印象的。秋の風景。

それにしてもこの日は1日で春夏秋冬体験しちゃった感じでした。目まぐるしいなあ。

この夜は富山のお酒飲んで、寝ちゃいました。

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突然秋から冬 裏剱へ (Day 1 前編)

予定通り5:30出発。

今までになくはっきりと、剱岳そして立山連峰の稜線が見えました。

6時過ぎ、立山に着くと、

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切符売場は、既に長蛇の列。平日なのに。

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7:10のケーブル、そして高原バスを乗り継ぎ、着いた室堂の気温は、3度。時刻は7:50。

下界では晴れていたのに、いつの間にか雲の中。

山岳警備隊の宿舎に立ち寄り、雪渓など山の状況の情報収集して、8:15頃に出発。

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風が吹き、寒い。

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雷鳥坂とテント場周辺は、すっかり秋。

遊歩道にはあちこち氷が張ってました。

テント場の手前にも。

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写真の白っぽいのがそう。

鮮やかな赤のナナカマドを見ながら、

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登っていくと、とうとう雨が。

剱御前小舎を通り過ぎ、剱澤におりる途中も、氷ばかり。すっかり冬です。

10:50に、剱澤小屋着。

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寒いので、鍋ラーメンをすすりました。

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すっかり温まって元気が出たので、11:30出発。

この日の目的地は、仙人池ヒュッテ。

地図のコースタイムだと6:05はかかる。

そんなにかからないよって言われたけど、どうかなあ?

(つづく)  

長い週末 プロローグ (Day 0)

仕事の後、何とかたどり着いた富山! 

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ビジネスマン多し。

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駅の構内から出ると、

風が冷たい。晩秋の気配。

都内とは大違い。

これだと間違いなく山は寒い。

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地鉄富山駅の前を通り過ぎ、宿へ。

翌日は5:30出発。

1ヶ月ぶりのガチの登山。

長い週末が始まる。さてどうなることやら。