山行女 by つるぎ

2012年から始めた登山・クライミング・そしてそれにまつわる旅の記録。日々のつぶやきです。

生まれ変わりの旅 出羽三山

今回訪れた月山は、出羽三山の1つ。

出羽三山は、月山・羽黒山湯殿山の総称。明治時代以前は神仏習合の修験の山でしたが、明治に入り神道の山となりました。

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開山の祖は、崇峻天皇の皇子である蜂子皇子。

事の始まりは、蘇我氏による崇峻天皇の弑逆。その難を逃れるため蜂子皇子は出羽国へ。その時、3本足の烏に導かれて羽黒山に入り、苦行の末に羽黒権現の示現(お告げを受け・霊的な体験をすること)により、羽黒山・月山・湯殿山を開き、3つの神様を祀ったそうです。

普通ならPTSDになって復活不能なほど心に傷を負いそうな壮絶な体験。あるいは、リベンジを考えそうなものですが、そうはせず、苦難を乗り越え出羽三山を開いた蜂子皇子は、とても強い人だったに違いありません。

それぞれの山には意味があります。羽黒山は現世の幸せを祈る山。月山は死後の安楽と往生を祈る山。そして湯殿山は生まれ変わりを祈る山。江戸時代には庶民の間で、現在・過去・未来を巡る生まれ変わりの旅として広まっていたそうです。

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・・・ということを、実は泊まった宿坊の御主人と今回お世話になった先達と呼ばれる参拝者の案内人のお二人に教えていただきました。ただ山に登るだけではなく、歴史的・文化的背景を知ると、歩いていても理解が深まり、感動もひとしお。

いつか江戸時代の人のように三山を回り、生まれ変わりの旅、修験における「三関三渡の行」にまた訪れたい。

月山

みちのく山紀行3日目は、月山。

とても詩的な名前。以前から気になっていました。

8:10に8合目登山口を出発。弥陀ヶ原という湿原を歩き始めると、直ぐに御田原参篭所。

鳥居の向こうには月山。

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やはり神聖な信仰の山。いつもとは違う。
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兎もまつられています。

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兎は古くから月山神のお使い、月の精とされ悪運から逃げる力があるとされているそうです。あやかるために、タッチしてきました。

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20分ほどで、御田原神社や湿原が見渡せます。

この山もまだ雪渓が沢山残っています。

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オモワシ山が近づいたと思ったら、

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9合目の仏生池小屋に到着。9:50。

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池の周りにはお地蔵様。

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少し休憩して歩き出すと、緑におおわれた行者ヶ原がよく見えます。見ているだけで心が穏やかになります。

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7月のピークより少ないそうですが、花もまだまだ多い。(写真はアキノキリンソウ

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行者返しを過ぎると稜線。

大峰付近は風が強い。時刻は10:47。

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月山の三角点に、人がいるのが分かる。
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来た道を振り返ると、1,909mの峰。

石畳の道は、途中から木道に変わる。

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道端には、ミヤマヒナウスユキソウ。

日本版エーデルワイス
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5分ほど歩くと、月山神社の建物が見えてきました。
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もう時期的に諦めていたチングルマが、咲いていました。雪渓があるからかな。

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11:10三角点のある場所に到着。

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山の日せいか人が多い。でも渋滞しない程度。
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そこから月山神社へ。本当の山頂はそこにあります。

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11:37神社の入口へ。ここはさすがに行列してました。折角なので参拝料を納め、お祓いをしていただく。山でお祓いをしていただくのは初めてでした。神聖な場所なので写真はNG!

その後少し長めの休憩をとり、小屋でキノコ汁を飲みつつおにぎりを頬張る。

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12:10出発。青空が広がっていたのにいつのまにか神社は雲の中。

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この先から牛首までは急な斜面のガレ場。そこをスキー板を担いで登ってくる女の子がいました!強いなあ〜。

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このルートはリフトで上がって来れるので人が多い。

12:57牛首を通過。

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この先は緩やかな道。複数の雪渓を眺めつつ歩く。

13:40に姥ケ岳との分岐着。歩いた道のりを振り返る。この辺り、やはり立山を思い出させる。

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今年は行けそうもないけど・・・。

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進行方向を向くと、リフトの駅。
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下りきってリフト駅に13:47着。
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姥ケ岳の斜面は、4月〜7月までスキーが出来る。意外と緩やか。来るまで、何故その時期まで出来るのか感覚的に理解出来なかったけど、今回納得。8月でも雪渓が沢山残っていたから。

リフトで下ると、美しいアサギマダラが沢山ヒラヒラと舞っていました。初めて見ました。アサギマダラは遠く沖縄、台湾まで二千キロ以上旅をする不思議な蝶。
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14:05にリフトを降り、みちのく山紀行は終了。来てよかったとしみじみ思う。

初めての宿坊

鳥海山の後は、山形県鶴岡市羽黒山町へ移動。

今回初めて宿坊に泊まりました。宿坊とは、元々神社仏閣の参拝者が泊まる場所。

羽黒町では、全国でも珍しく30もの宿坊が集まっています。昔は300軒もあったそうです。現在は一般観光客やこのエリアでは月山への登山者も受け入れています。

お食事は、精進料理。

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地のものを使った真のベジタリアンフード。

カタカナばかりの怪しい似非なものとは違います。肉々しいものや人工的なものよりも、私は毎日こんな感じの身体に優しい天然物を食べたい。

夕食時には、昔からの習わしで大きな盃に入ったお酒も回ってきます。

神道では食事のことを直会(なおらい)と言い、神様と人間との懇親会を意味するそうです。そういうことで、お酒も振舞われます。

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翌日は月山登山なので、ちょっとだけ頂きました。単なる観光なら、美味しい山形のお酒をもう少し頂きたいところでしたが、それはまた今度!

朝は祈祷。

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下界の穢れを払って頂きました。

でも下界で生きる私は、朝食はしっかり食べました。腹ペコだと歩けません〜。

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出発の法螺貝を吹いていただいてのお見送り。

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お世話になりました。

次に来る時は出羽三山を回りたいです。

落石の恐怖@雪渓

鳥海山の千蛇谷を歩行中、急に巨大な岩が、ガラガラとけたたましい音を立てながら落ちてきました。

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そして別の岩にぶつかり、バラバラに飛び散りました。身の毛がよだつとは、まさにこのこと。当たったら命はありません。

歩いている間二度もありました。現地のガイドさんに聞くとよくあるそうです。雪のある箇所は音もなくスーッと落ちてくるから、余計怖い。

初めて見ましたが、自然の脅威を思い知らされました。やはり山は人智を超えた聖なる場所。「入らせて頂く、登らせて頂くという気持ちで行くべし!」と神様に言われた気がしました。

鳥海山(後半)

七高山で景色を味わった後は、お向かいの新岳へ。

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1801年の噴火で出来た山。ガラ場を一度下ります。

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下り切った場所から七高山方面を見ると、外輪山がよく分かります。(上部写真)
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そこから岩を登った先は大混雑。f:id:gomtbytsurugi:20190813111711j:image

10:26に山頂着!標高2,236m。

足の踏み場を探すのも大変なので、写真を撮り即下山。
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建物のある方におりていくと鳥居があります。

鳥海山大物忌神社(おおものいみじんじゃ)

約1,400年前からあるそうです。

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少し離れた場所から見るとこんな感じです。
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多めの休憩をして、
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鉾立目指して11:05出発!
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千蛇谷を下っていきます。

道の両側にはハクサンシャジンが。

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いくつもの雪渓が残っています。

落石もあり注意が必要な場所。

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雪渓を横切り外輪山側に登り返すと、雪渓の様子がよく分かります。

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それにしてもなかなかの急登です。
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12:29に外輪山・千蛇谷の分岐通過。

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御苗代を横目に下り、
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12:37に七五三掛(しめかけ)着。

5分休憩の休憩後、少し歩いて御田ヶ原分岐を13:06通過。ここの標高は1,692m。

なだらかな扇子森(標高1,759m)を登り、

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少し歩くと鳥海湖。
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山形の人は「ちょうかいこ」。秋田の人は「とりうみ」と呼ぶそうです。ちなみに鳥海山の「ちょうかい」はアイヌ語「太陽」を意味する「チョッカイ」からきているとか。
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御浜小屋(標高1,700m)でまた休憩。山頂方面はガスって見えにくくなってきました。

14:53秋田と山形の県境を越え、また秋田へ。

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暑い暑いと思って歩いた下山中、ふと見上げたナナカマドは赤く色づいていました。

8月も中旬。短い夏はあっという間に終わる。

15:21鉾立の駐車場が見えてきました。

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15:25にTDK小屋(東雲荘)を通過。
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現在のTDK(当時の東京電化工業)の創業者の斎藤憲三氏は秋田出身。そしてこの小屋の背後にある稲倉山(当時は硫黄岳と呼ばれていた)で硫黄をとる事業を別会社で行っていた関係もあり、ここに小屋があるようです。
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15:27長いルートを歩き切り鉾立着。流石に暑くて、久しぶりにカキ氷を食べました。

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秋田では秋田富士。山形では庄内富士と呼ばれる鳥海山。大きな大きなみちのくの山でした。

鳥海山(前半)

最近通っている東北。今回は鳥海山へ。

日本海から16キロしか離れていない2千メートル級の山は他にはないそうで、その特殊な地形のため、冬は豪雪地帯。そして江戸時代には北前船のランドマークになっていたそうです。

それを聞いて富山の立山連峰を思い出す。あちらは海から30kmの距離で3千メートル級。同じく豪雪地帯。

日曜早朝3時に起き、宿を4時半出発。

着いたのは祓川登山口。

まだ空気はひんやりしてきます。

5:15登山開始。駐車場からだと距離を感じます。

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山頂を回って鉾立へ抜けるロングコース!

歩き始めると直ぐに竜ヶ原湿原。

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昔は投網で岩魚を取れるほど水があり、山の上から見るとその魚影が、龍が空に向かって登っているように見えたのが由来とか。

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賽の河原を過ぎると、1つ目の雪渓。
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雪渓は長いので軽アイゼンとストックの登場。

8月のお盆の頃になっても雪渓があるくらいだから、春スキーに人が訪れるのも頷ける。

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6:43に康ケルン・七ツ釜避難小屋付近で休憩。

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こんな滝と釜(滝壺)があります。

7:05康新道との分岐で5分休憩。

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ここにも雪渓。氷ノ薬師まで登ると岩手山が雲の上から頭を出していました。

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雪がある時はここをスキーで滑るとか。

ちなみにこの山も高山植物が沢山。

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蜂は短い夏の間、一生懸命お仕事中。

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鳥海アザミ。ここにしかない固有種。

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前半最後の雪渓を抜け、
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8:52には、舎利坂中間点。
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登山口の駐車場と竜ヶ原湿原が見えます。
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山頂方面は近いようなそうでないような。
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9:25七高山(標高2,229m)へ到着。
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ここは鳥海山の外輪山。
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現在最も高いのはお向かいの新岳(2,236m)。

松尾芭蕉が旅をしていた頃にはなかった山。

庄内平野日本海。更にこの日は眺望がよく、月山も見えました。

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でもこの日の行程は鉾立まで。

まだまだ長いのです。(つづく)

「あがりこ大王」とご対面!

やっぱり首都圏は暑いので、

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今回はこれに乗ってみました。
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山形新幹線。初めて乗りました!

途中から在来線のレールを走る新幹線。
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今回は「きてけろくん」がお出迎え。
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名前がかわいい。東北のお国言葉は、素朴な感じがして好きです。

車窓から月山が見えるかと期待してたら、途中土砂降りに。今朝秋田で1時間に100ミリ降っていたので、それと同じ雲の仕業かな?

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(↑ こんな警報が出ていました)

車で北上。いつの間にやら車は秋田県にかほ市へ。気がつけば雨も止んだ。

予定していた「獅子ヶ鼻湿原」へ。

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現地に着いたら他に車がいない。今朝の豪雨の影響?

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湿原を散策しようと思ったら、

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こんな看板。本当はプラプラ一人で歩こうと思ってたら、管理人さんから「個人でバラバラに歩くと危ないから、集団行動の方がいいよ!」と注意勧告を受ける。親切に熊よけに爆竹?で音を鳴らしてくれた。

ということで、明日一緒に山を歩くメンバーと一緒に散策開始。

歩いてみるとここの湿原は尾瀬や先週歩いた八幡平とは違い、湧水地という感じ。

出ツボと呼ばれるところから、鳥海山からの水が湧いている。

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このエリアはブナの森が広がり、それらのブナは不思議な形をしています。

中でも大きいのが「あがりこ大王」!

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樹齢300年?

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でも何でこんな名前なんだろう?

調べると「幹が上がったところで子に分かれていることから「あがりこ大王」と命名されたらしい。

何だかお菓子の「じゃがりこ」思い出してしまう。「〇〇っこ」って東北の言葉に多いんだけどその系統かな?

森を散策しているうちに、青空が戻ってきました。田んぼが広がり、その向こうに鳥海山。でも山頂は雲の中。

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日本海も水面がキラキラと美しい。

暑いけど何となく秋の気配を感じる。

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さて明日のターゲットはこちら。

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コンディションに恵まれ良い山行が出来ますように!