映画「エベレスト3D」とリスク管理

何かと話題のエベレスト。11月6日にそのエベレストを舞台にしたハリウッド映画「エベレスト3D」が公開されます。

これは、1996年に実際に起きたエベレストでの大量遭難事故をもとにした作品。

今では日本の芸能人も挑戦するくらい身近な山ですが、そもそも経験を積んだ登山家が挑むものでした。

それが1990年代から公募隊という形で参加者を募り、一般人が(特に富裕層)数百万円もの高額な費用を支払い、ガイドのサポートを受けながらの登山が盛んになりました。(いわゆる商業登山の幕開けです)

その後、多くの富裕層をはじめとするアマチュア登山家がエベレストを目指すように。

モデルとなった事故も、その公募隊で発生したもの。その事故の大きな原因としては、

①天候の変化

②登山者の技術不足

③計画からはずれてしまった時の対応が上手くいかなかった

といった諸々の条件が重なったことと言われています。知れば知るほど怖いことだらけ。(興味のある方は文献もありますので読んでみて下さい。)

ガイドさんもお仕事としてお金もらっているから、引くに引けないこともあるとは思いますが、世界一高い山でのリスクは半端ないです。

心のどこかで「ガイドに連れてってもらうから、何とかなる」という考えでいるのは、知人のガイドさん達は危険だと言います。とすればエベレストならなおさら。

エベレストの場合は、特にそれなりの技量と経験を持った自立した登山者でなくては、やはり成功は難しかったのではないかと思います。

この事故にかかわらず、プロ・アマチュア・ガイドとクライアント問わずリスク管理に非常に厳しい人々がいる一方で、そうでない人もいるのも世の常。知り合いのガイドさん達によると、残念ながら国内でもそういうことが、一部あるみたい。

そのいう話題になると必ず出てくるのが「トムラウシ山の遭難事故」!あの時も「むちゃな計画と判断」「環境変化に対する登山者の知識や装備不足」など悪いことが重なってます。

そして、いつも最後に言われるのは、仲間同士で登ろうがプロと一緒だろうが:

①ピークハント(山頂に登ることだけを目指す)に執着するのは危ない

②自分の技量(能力)・体力を考え山を選ぶ(登りたい山と登れる山は必ずしも一致しない。自分にとって難しい山に挑戦するならトレーニングが不可欠)

③歩き始めても、ヤバいと思ったら即やめる!(命あっての山登り。自分の状態は良くても、外的要因でダメな時もある。山は逃げないのでまたチャンスはある。)

・・・的な事。

「家に帰るまでが遠足です」と誰かが言ってますが、山も然り。ピークに立ってからが実は勝負だったりもする。下山時の事故も多いし。

映画の予告編みても、山頂に立って以降何やらまずい事が発生している模様。やはり「自然への畏敬の念」を忘れてはいけませんね。なめたり・油断した途端にしっぺ返しが来ます。(自分の経験からもそう思う)

ハリウッド映画だし、いろいろ脚色も多いと思うので、まだ観るか決めていません。本当に悩ましいです。

いずれにしても、山でのリスク管理について改めて振り返るには、いいきっかけになる作品の一つかもしれません。

★おまけ&参考情報(文献)

興味のある方は、以下ご参考まで~

1)映画「エベレスト3D」のサイト

everestmovie.jp

2)1996年のエベレスト大量遭難

以下クリックするとwikipediaで実際起こったことが記載されています。

1996年のエベレスト大量遭難 - Wikipedia

3)クラカワーによる1996年の遭難に関する本(以下)