山行女 by つるぎ

2012年から始めた登山・クライミング・そしてそれにまつわる旅の記録。日々のつぶやきです。

富士山(1日目)

とうとう富士登山本番の日がやってまいりました。トレーニングを始めて早4か月。毎週のように山に通った結果は、実を結ぶのでしょうか?3日間にわたる記録です。

夏になると富士山に一般登山者が詰めかけます。その理由は、この山が基本的に7月と8月の2か月しか解放されていないから。年によって数は変わりますが、毎年この2か月間に20~30万人が登ります。

それ以外の時期は、それなりのスキルと経験がないと入れません。厳冬期には風速30~40m突風がという吹き、山頂直下はアイスバーンに覆われ、常に滑落の恐怖が付きまといます。完全に素人さんお断りの世界です。

今回富士山に登るにあたり、考慮した点は:

1. 週末は非常に混雑するので平日に登る

2. 弾丸登山は高所障害が出る確率が高いのでやめる

という2点だけ。なので、それを考慮した山行になっています。

これで、お鉢廻り(富士山の火口を一周すること)をして、日本最高地点の剣ヶ峰(3,776m)を目指します。

★山行日:2012年8月28(火)~30日(木)

★天気:はれ(3日間全て)

★コース

今回は吉田ルートで登ります!

(1日目)富士山五合目(標高2,305m)→七合目 鎌岩館(標高2,790m)

(2日目)七合目 鎌岩館(標高2,790m)→八合目 太子館→九合目→富士山・久須志神社→剣ヶ峰(標高3,776m)→久須志神社→八合目 太子館(標高 約3,100m)

(3日目)八合目 太子館→富士山五合目

★実際の様子(1日目)

2泊3日で時間的に余裕があるので、朝8時に都内を車で出発しました。お昼すぎには、富士スバルラインの5合目に到着しました。

平日なのに車と人でごった返す5合目。既にディズニーランド状態です。写真の通り外国からの登山者もいます。

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「わざわざ日本にまで来ていただきましてありがとうございます」と思う一方で、彼らの装備・服装は、さんざん山岳ガイドさんに「こういうのは、ダメです」って言われた感じのそのもの。日本人の登山者の中にもそういう方いらっしゃいました。

でも一番驚いたのは、同じスクールのパーティの中に手違いで、全くスクールに参加歴のない70代の男性が入っていたこと。 山に登るのは今回が人生で3回目だそうで、確か1回目は筑波山だか御岳山に登って、2回目は高尾山、そして今回いきなり富士山に来たそうです。ご本人によると、普段はウォーキングをして何キロも歩くのは平気だそうですが、装備(服装・靴・ザックなど)をみると、かなりまずい。

さすがに3日間面倒を見なくてはいけないガイドさんの表情が歪んだ。そして一言「大人数で動くので、何かあったら即下山していただきます」と。周りの空気が凍った。

やれやれ・・・。かわいそうなガイドさん。何も起こりませんように。

5合目で既に標高2,305mあるので、高所に適応するためにお昼を食べたりして休憩をとりました。その後13:20頃に、富士スバルライン5合目を出発しました。

そして13:44に泉ヶ滝の分岐前を通り過ぎました。この標識(写真)の前を、2か月前に1合目から5合目まで歩いた時も通ったんだよねえ。今回頂上まで行けば、富士山を1合目から山頂まで登ったことになると思うとやる気が出ました。(5合目から登る人は多いけど、2回に分けてはいるものの1合目から通して富士山を登る人はあまりいないと思うし。)

泉ケ滝

14:21に安全指導センターのある6合目に到着。ここでちょっと休憩。

6合目

ここでは登山者にこんなビラを配っていました。(以下写真)ここにも「軽装での登山はやめましょう」「健康管理(高山病)や雷などの悪天候に注意」とか書いてある。毎年いろんなことが起きるからこういうものをわざわざ作って配っているんだろうな。本当に関係者の皆様お疲れ様です。

チラシ

今日は、7合目まで行くだけなので急ぐ必要がなく、高所順応を考慮して、大体15分位の間隔で、毎回5分ほどの短い休憩を取りました。

また高所障害を防ぐために、できるだけ呼吸は深くするように言われながら登っていました。

下界は晴れていましたが、登っていくうちに周りが雲で覆われてきました。歩いてきた道を振り返ると写真のような感じです。既に森林限界を過ぎ、富士山は火山なので今まで歩いた山とは足元の感覚が違います。岩と細かい石が多いです。

登山道 6合目付近

そんな環境でも、こんな植物が生えています。生命って本当にたくましい。

花 6合目

ちなみに富士山には多くの山小屋がありますが、そこへの物資は、こんな重機で運びます。

トラクター

なので、いろいろなものが山小屋で買えます。ちなみに、ペットボトルの水(500ml)が1本300円から500円しました。標高が上がるたびに価格も上昇しますが、少しでも荷物の軽量化を図るためには、水は買った方が良いです。(他の山ではこんなことできませんが。ただし、下山の時は小屋がないから気をつけてください。)

15:26にもう一度休憩。登山道沿いに山小屋が沢山あるのがわかります。

7合目の小屋

そしてもっと上を見上げても、頂上は見えません。まだまだ先です。

1日目 稜線は遠い

15:58に本日の山小屋「鎌岩館」に到着しました。下界を見ると通り過ぎてきた他の山小屋の屋根が見えます。屋根に石がのっけてあるのが不思議な感じ。石は、そこら辺にあるから建材としては調達が楽だから使っているのかな。

鎌岩館到着

ちなみにこの小屋の看板は、こんな感じです。夜思い出して、記念撮影しておきました。

鎌岩館 看板

小屋に着いた後は、例によって寝ないで荷物の整理をしたり、小屋の外で景色(夜景)を眺めたりしてすごし、夕食をとり就寝。(何を食べたか忘れちゃいました。)ここでは寝袋が用意されており、その中で寝ました。(夜8時頃だったかな。)

と書きましたが、弾丸登山の皆さんが、小屋の横を通るので、結構人の声がうるさかったりして眠れません。だから、「耳栓」はあった方が良いと思います。

お風呂も入れませんから、身体をふくコンビニで売っているウエットティッシュみたいなものは持って行った方がいいと思います。

山小屋の混雑の程度ですが、「寝返りが打てない」「トイレに行って戻ってくると寝場所がなかった」という噂をよく聞きますが、そこまで酷くはありませんでした。でも決して広い訳ではなく、たたみ1畳に2人という感じでした。

以上が1日目の様子です。本日はここまで~♪

★お役立ち情報のURL

1. 「富士登山オフィシャルサイト」

富士山に関する様々な情報が載っています。有益な情報ばかりなので、登る前にぜひチェックしてみて下さいね。

http://www.fujisan-climb.jp/

2. 「鎌岩館」

1日目に泊まった山小屋です。

http://www.kamaiwakan.jpn.org/

(おまけコーナー)

今回利用した地図は、昭文社山と高原地図「富士山 御坂・愛鷹」です。

お近くの本屋さんやネットでも購入できます。