この無雪期シーズンは、結果的に松尾芭蕉に所縁のある場所を歩くことが多かった。
鳥海山、月山、そして今回の親不知。
ここは北陸最大の難所。断崖絶壁だ。
現在は人が海側を歩くことはなく、国道8号線がトンネルや海沿いにへばりつくような形で通っています。その工事は困難を極めるものだったでしょう。
そんな天下の険を、昔の装備で歩くのは相当大変だったと思う。かの芭蕉も、奥の細道でこう記している。
「今日は親しらず・子しらず・犬もどり・駒返しなど云(いう)北国一の難所を越て、つかれ侍れば、枕引よせて寐(いね)たるに・・・」
今風に言うと:
「今日は親知らず・子知らず・犬戻り・駒返しといった北陸一番の難所を越えて、すごく疲れちゃったので、枕を引っ張り出して寝てたら・・・」
みたいな感じかな。もちろん芭蕉先生はこんなにラフな言葉は使わないでしょうけど。
芭蕉が現代人だったら、俳句の575の代わりにTwitterでつぶやき、紀行文はブログに、動画や写真はインスタにアップしてたかも?!
・・・と想像すると面白い。
ちなみに奥の細道の総歩行距離を調べたら約2,400km。
歩いた日数は調べると様々だけれど、今と違って歩くことが旅の基本だった時代。
現代人に比べれば、健脚だったんだろうな。そう考えると、芭蕉の「伊賀忍者説」も信じてしまいそう。その健脚あやかりたい。
★おまけ
芭蕉の足跡や親不知の説明が現地には、あります。
また親不知のジオラマも。
いずれも親不知観光ホテルのすぐ側にあります。