日曜日の朝は大正池ホテルで目覚めた。
今回の同行者は「上高地行ったことない」というので、こんな素敵な場所を知らないなんてもったいないと思い、乗鞍岳登山後すぐに帰らずに上高地へ一泊することにした。思った通り朝食前に大正池を見に行くと素晴らしい景色が待っていた。
穂高連峰を映す鏡のような水面。
焼岳をバックに霧で覆われる幻想的な姿。冬とは違う美しさ。
朝食をのんびり食べ、荷物は上高地のバスターミナルへ運んでくれるサービスが利用できるので、この日はのんびり上高地自体を散策する。
8:15頃チェックアウト。池の向こうに西穂が見える。もう登ってから7年たってしまった。穂高連峰の山々に登りたいけど、結局それから剱岳に登るのに一生懸命で機会を逸してしまった。コンディション整えて、来シーズンは登れますように。
今回は行ったことのない明神池を含め、梓川右岸道を行く予定。
まずは田代湿原へ。過去に2回雪のある時に来たけど、草がそよぐ湿原はさわやか。
その先を行くと何度もクマ出没の警告が出ていた。早朝と15時以降になると活動するみたい。だから今朝も出発の時間を見計らっていた。山に登る時はそんなこと言っていられないけど。
梓川が良く見える場所を少し歩くと田代橋。
川沿いの道は快適だ。
川の向こうには霞沢岳と六百山。雪のある時に登りたい山ですが、ここも残っている宿題の一つ。でも焦っても仕方ない。天地人がそろわないと山は登れないし、無理するといろいろなリスクも増える。
雄大な景色を見ながら川沿いを歩くと、ドイツやオーストリアを思い出す。
新型コロナはともかく、まだウクライナで戦争をしているから、ヨーロッパに遊びに行く気がどうしてもしない。平和を切に祈る。
道の先にようやくウエストン碑を確認。
以前来た時に分かりにくかったのは、冬で周りに雪があったせいかも。数年前栂海新道を歩き切った日本海が見える公園にひっそりとたたずむウエストンさんの銅像を見て以来、上高地の碑もちゃんと見たかった。
この方もそうですが、イギリス人の冒険心・チャレンジャーなところはホントすごいと思う。以前一緒に仕事をしていたイギリス人の同僚たちも、日本にいても興味があればどこでも行って、登山のみならず、クライミングにダイビングもしちゃうし、そのマインドセットは見習いたいと思う。彼らの心意気がなければ、日の沈まない大英帝国の成立も、エベレスト登頂も成し遂げられなかったでしょう。
心地よい小道を進むと河童橋。時刻は9:10。
河童橋から焼岳方面に流れる水はすがすがしい。
橋のそばではカップルがウエディング用の写真撮影中。ここは何度見ても絶景。
奥穂、釣尾根、明神岳と目が釘付けになる。
この先は岳沢湿原へ。
歩いてみたかった場所。写真で見るよりもずっときれい。途中ご高齢の女性が、家族に連れられてゆっくり歩く姿を見かける。私もおばあちゃんになって山に登れなくなっても、散策を楽しみに上高地に来ようと思う。
この道は岳沢への分岐につながっているので、河童橋付近にいる人とは明らかに異なるガチの登山者に何度もすれ違う。ヘルメットや装備で分かる。
今回はここから明神池へ歩く。
鳥居をくぐると左手に嘉門次小屋。
右手に嘉門次碑。
この方のガイドがなければウエストン夫妻は前穂高に登ることもなかった。何でも最初はウマが合わなかったらしく、悪天候なのに「行きたい!」とウエストンさんが無理言って翌日しぶしぶ行ったけど、豪雨の爪痕をみて「嘉門次さんの言う通りだった」と反省したらしい。「山なめんなよ!」と嘉門次さんが思ったかどうかはともかく、やはり現地ガイドの言うことはきいた方がいいと私も思います。何せ毎日その場所を見ているわけですから。
奥宮をお参りしてから明神池へ。
ここが神聖な場所だと祀ってあることに池と明神岳を見て腑に落ちる。
何か神秘的な力を感じます。
今まで時間の関係で来れなかった場所。
ちゃんとこの場所の神様にあえてよかった。
対岸に行こうと思ったら、ここでも和装のカップルが写真撮影。
上高地は結婚式の写真撮影の人気スポット?
良いエネルギーを自然・大地からもらい、
歩く。
帰るのやだなあ・・・。
そんなことを思いつつバスターミナルを目指す。
ビシソワースに、ビーフシチューサンド。
ポークスライダー バーベキューソース 。同行者と「はんぶんこ」して食べました。お高いけど美味です。
コーヒーを飲みながら、今回の山旅に思いをはせる。かつて本物のアルプスに近いドイツの街に住んでいた同行者は、「日本にこんなところがあるとは思わなかった」ととても感動していました。「ヨーロッパまた住みたい病」再発!
やはり上高地もプランに追加してよかった。