2014年8月のある日。インフォームド・コンセントということで、入院前に執刀医から改めて、以下の説明がありました。
1. 損傷した靭帯は自然修復しない。仮につながったとしても、機能として元通りにはほとんどならない。したがって、手術で切れた靭帯を縫合しても意味はない。
2.1の理由から、靭帯の機能を再建する為に、再建手術をする必要がある。
3. 再建手術には、膝周辺の他の部分から代わりとなる移植腱を採取して、それを本来のACLの機能を果たせるように移植をする。
言うのは簡単ですが、これ数時間にわたる手術になります。
医療技術の進歩には驚かされますが、先生によると移植腱は数か月すると、不思議なことに靭帯のようになるそうです。どこかで細胞のスイッチがリセットされるということなのでしょうか?そんな話を聞くと、数年前にノーベル賞で話題になった「iPS細胞」を思い出します。
私の場合は、自分の身体の一部を別の場所に移植するだけですが、様々な研究者の皆さんのおかげで、私のような一般市民でも、その恩恵が受けられていると思うと感謝せずにはいられません。
さらに説明は続きます。回復に向けてのスケジュールとしては:
手術当日: 朝から絶食。術後はベッドの上で安静。
術後翌日: 離床して松葉杖・装具をつけて歩行練習開始。ベッドでできるリハビリ開始。
術後3~4日: リハビリ室でリハビリ開始。
術後約1週間: 術後の膝機能の回復が基準に達していれば退院。
術後4-6週間: 装具を付けて松葉杖歩行。リハビリは高頻度で行う!(つまり毎日)
術後2~3か月: 移植腱の保護期なので、無理な負荷はかけず、筋力強化・可動域訓練・体幹訓練のリハビリを主に行う。
術後3か月~6か月以降: 診察でOKがでたら、徐々に負荷をかけて、ジョギング→各競技特性に合わせた動きの訓練開始。
術後9か月程度: フル復帰を目指す
・・・とのこと。でも、個人差があるので、復帰の時期は一概には言えないそうです。
手術は、執刀医とオペのスタッフにお願いするとして、その後のリハビリは、自分との闘い。先は長い・・・。でも、前進あるのみ!
だってクライミングと山に復帰したいもん。